水没した車はどこへレッカーする?保険会社・JAF・販売店への連絡順

大雨で車が水没し、水が引いた。

エンジンをかけてはいけないことは分かったものの、次に迷うのが、

「JAFを呼べばいいのか」

「保険会社へ先に電話するのか」

「いつもの販売店へ運んでもらえばいいのか」

という問題です。

自動車保険に入っているなら、原則として最初は保険会社または保険代理店へ連絡します。

そのうえで、車を受け入れられる販売店・整備工場を確認し、レッカーを手配します。

JAF会員の場合も、保険会社とJAFが提携していることがあるため、先に保険会社へ「JAF会員です」と伝える方法があります。

大切なのは、レッカーを早く呼ぶことだけではありません。

最初から、点検や修理を判断できる場所へ運ぶことです。

水没車は自分で販売店まで走らせない

最初に前提を確認しておきます。

水没した車は、水が引いて見た目が普通に戻っていても、自分でエンジンをかけて販売店まで走らせるものではありません。

JAFは、一度でも車内まで浸水した車について、水が引くまで置き、水が引いた後もエンジンをかけずJAFや販売店、整備工場へ相談するよう案内しています。 (JAF(日本自動車連盟))

したがって、

「販売店まで数kmだから自走しよう」

ではなく、

「どこへ搬送するか」

を決めます。

自動車保険に入っているなら、まず保険会社へ連絡する

車が水没したとき、JAFより保険会社を先にした方がよいケースがあります。

日本損害保険協会は、事故や故障でレッカー等が必要な場合、まず損害保険会社または保険代理店へ連絡するよう注意喚起しています。

理由は、自分でロードサービス業者を手配したあとに請求しても、費用の全額を保険で支払ってもらえない場合があるからです。 (損保ジャパン)

契約にロードサービスが付いているか分からない場合も、まず保険会社に確認できます。

水没したこと。

現在の車の場所。

どこまで水につかったか。

エンジンを始動していないこと。

JAF会員かどうか。

分かる範囲で伝えます。

この時点で、レッカーの手配方法と搬送先について相談します。

「自分でレッカーを探して後から保険請求」は避ける

スマートフォンで、

「レッカー 近く」

と検索すれば、すぐ業者は見つかります。

しかし、水没車では急いで独自の業者を手配するより、契約している保険会社へ確認してから動いた方がよいでしょう。

日本損害保険協会には、インターネット広告からレッカー業者を依頼し、高額な料金やキャンセル料を請求された相談が寄せられています。 (損保ジャパン)

東京海上日動も、ロードアシストについて、事前連絡なく独自に手配した場合はサービスを提供できないことがあると明記しています。 (東京海上日動)

保険会社ごとに条件は異なりますが、

レッカーを呼んでから保険会社へ電話するのではなく、呼ぶ前に契約を確認する

という順番にしておく方が確実です。

JAF会員でも保険会社へ先に伝える方法がある

JAF会員なら、

「最初からJAFへ電話すればいいのでは?」

と思うかもしれません。

JAFは、大雨や台風による水没など自然災害のトラブルにも対応しています。 (JAF(日本自動車連盟))

ただし、JAFと提携する自動車保険に加入している場合、JAFは「保険会社のコールセンターへJAF会員であることを伝える」よう案内しています。

本人の同意を得たうえで、保険会社からJAFへ取り次がれる仕組みがあるためです。 (JAF(日本自動車連盟))

そのため、

自分の車である。

自動車保険にも加入している。

JAFにも加入している。

という場合は、

保険会社へ連絡 → JAF会員であることを伝える

という順番を基本にすると整理しやすくなります。

もちろん契約している保険会社やサービスによって扱いは異なるため、その場で案内に従います。

保険のロードサービスが使えないならJAFを検討する

保険会社へ確認した結果、

ロードサービスが付いていない。

今回の水没がサービス対象にならない。

契約車ではない。

といった場合には、JAFなど別のロードサービスを利用する方法があります。

JAFは、水没した車のけん引にも対応しています。

また、水が引いた後であれば、自宅、販売店、整備工場など希望する場所へ搬送できます。 (JAF(日本自動車連盟))

JAF会員でなくても利用できる場合がありますが、料金や対応条件は会員と異なります。

レッカー先は「とりあえず自宅」で決めない

ここが水没車で特に重要です。

JAFでは自宅へ運んでもらうこともできます。

しかし、車内まで浸水した車は、結局どこかで点検を受けなければ使えるかどうか判断できません。

そのため、

現場 → 自宅

と運び、

後日、

自宅 → 販売店

ともう一度レッカーすることになる可能性があります。

保険商品によっては、2回目の搬送費用まで同じように補償されるとは限りません。

例えば損保ジャパンでは、「修理工場から他の場所へのレッカーけん引費用」をロードアシスタンスの対象外としている例があります。 (損保ジャパン)

つまり、

最初のレッカー先を決める段階で、点検できる場所まで考える

ことが重要です。

まず販売店に「受け入れられるか」を確認する

普段利用しているディーラーや整備工場があるなら、搬送先の候補になります。

ただし、

「いつもの店だから、そのまま運んでもらえばいい」

とも限りません。

営業時間外。

水害で店舗自体が被災している。

水没車の受け入れが集中している。

保管場所がない。

特殊な車両で対応できない。

といった可能性があります。

そこで、保険会社とレッカーの話を進める際に、

「いつもの○○販売店へ運びたい」

と希望を伝え、可能なら販売店にも受け入れ可能か確認します。

日産大阪のように、販売店側の緊急サポートセンターが保険会社やJAF、レッカー会社への取次ぎを行う仕組みを設けている例もあります。 (日産大阪)

販売店がこうしたサービスを持っている場合は、その窓口を使う方法もあります。

搬送先が決まっていないなら保険会社に相談する

普段利用している整備工場がない場合や、旅行先などで水没した場合、

「どこへ運べばいいか分からない」

ことがあります。

この場合も、先にレッカーだけを呼ぶ必要はありません。

保険会社へ、

「修理工場が決まっていない」

と伝えます。

東京海上日動では、事故・故障などで走行不能となった車を修理工場等まで搬送するロードアシストを用意しており、事前承認した搬送先ではレッカー費用の限度額を適用しない仕組みがあります。 (東京海上日動)

損保ジャパンにも、事前連絡をしたうえで承認された修理工場などへ搬送する場合、通常の限度額を外す仕組みがあります。 (損保ジャパン)

契約内容によって条件は違いますが、

搬送先が分からないときこそ、保険会社に決め方を確認する

のが先です。

夜間で販売店が閉まっていたら「いったん自宅」とは限らない

水没が起きるのは営業時間中とは限りません。

夜間や早朝なら販売店へ連絡がつかないこともあります。

この場合、

「店が閉まっているから自宅へ運んでもらおう」

とすぐ決める必要はありません。

ロードサービス側で一時保管し、後から修理工場へ搬送できる場合があります。

例えば三井住友海上では、事故場所からレッカー搬送した車を業者が一時保管している場合、そこから修理工場への搬送についてロードサービスへ相談できると案内しています。 (MSインシュアランスFAQ)

ただし、一時保管や再搬送の条件は保険会社や契約によって異なります。

夜間なら、

「販売店が閉まっています。最終的に販売店へ運びたいのですが、今はどこへ搬送すればいいですか」

とロードサービス窓口へ確認します。

車両保険を使う可能性があるなら保険会社への報告もしておく

大雨や洪水による水没は、車両保険の補償対象になる場合があります。

日本損害保険協会では、一般的な車両保険の例として台風・洪水・高潮を補償対象に挙げています。ただし、実際の補償内容は契約によって異なります。 (損保ジャパン)

三井住友海上や東京海上日動でも、車両保険契約がある場合、洪水などによる水没を補償対象とする商品があります。 (MS Ins)

そのため、単なるレッカー手配だけで終わらせず、

「大雨で水没した事故として保険請求も相談したい」

と伝えておくと、その後の流れを確認できます。

販売店は「最初の連絡先」より「最初の搬送先」の候補

保険会社、JAF、販売店の役割を分けると分かりやすくなります。

保険会社は、契約内容、ロードサービス、レッカー費用、車両保険などを確認するところ。

JAFは、実際の救援・引き上げ・けん引を行えるところ。

販売店・整備工場は、車を受け入れ、点検や修理可能性を判断するところです。

そのため一般的には、

保険会社・代理店へ連絡

↓

搬送方法と保険条件を確認

↓

販売店・整備工場が受け入れ可能か確認

↓

保険会社が手配したロードサービスまたはJAFで搬送

という順番にすると整理しやすくなります。

JAF会員なら、最初の保険会社への連絡時にそのことも伝えます。

水没車は「どの業者を呼ぶか」より「最初にどこへ運ぶか」で考える

水没した車を前にすると、

「JAFか、保険会社か」

という二択で考えがちです。

しかし、本当に決めたいのはそこではありません。

最終的に必要なのは、水没した車を専門家に確認してもらうことです。

そのためには、

保険のロードサービスを使えるのか。

JAF会員なのか。

いつもの販売店が受け入れられるのか。

保険会社が承認する搬送先なのか。

を先に整理します。

特に避けたいのは、

何も確認せず「とりあえず自宅まで」とレッカーして、後からもう一度修理工場まで運ぶことです。

自動車保険に入っているなら、まず保険会社または代理店へ連絡する。

JAFにも入っているなら、そのことを伝える。

そして最初から、受け入れ可能な販売店・整備工場まで運べないか確認する。

これが、水没後のレッカーで費用と手間を増やさないための基本的な順番です。

出典

[日本損害保険協会|ロードサービス業者との料金トラブルにご注意ください] 資料を開く

[JAF|自動車が冠水路や高潮で浸水してしまったら?] 資料を開く

[JAF|自動車保険のロードサービスとの違い] 資料を開く

[損保ジャパン|THE クルマの保険 ロードアシスタンス] 資料を開く

[東京海上日動|トータルアシスト自動車保険 ロードアシスト] 資料を開く

[三井住友海上|事故場所から一時保管後に修理工場へ搬送する場合] 資料を開く

[日本損害保険協会|自動車保険] 資料を開く