浸水した家財は捨てる前に写真を撮る?保険請求前に残すもの

浸水して使えなくなった家具や家電は、できるだけ捨てる前に写真を撮っておきます。

ただし、「保険会社が確認するまで、濡れた家財をすべて家の中に残しておかなければならない」という意味ではありません。

泥水につかった家財を放置すると、衛生面や生活再開の妨げになることがあります。安全・衛生上、早く片付ける必要がある場合は、被害状況を写真やメモで残してから搬出・処分し、保険会社へ相談します。

重要なのは、家財そのものを残すことより、「何が、どこで、どの程度の被害を受けたのか」を後から説明できる状態にしておくことです。

捨てる前に「部屋全体→浸水高さ→家財」の順で撮る

いきなり壊れたテレビや冷蔵庫だけを接写するより、まず被害全体が分かる写真を残します。

撮っておきたいのは次のような写真です。

撮るもの残したい内容
建物・部屋全体どこまで被害が広がっているか
浸水した高さ壁などに残った水の跡と高さ
家財が置かれていた状態どの部屋で被害を受けたか
家具・家電の全体何が被害を受けたか
損傷部分水濡れ、泥、変形、破損など
製品表示メーカー名や型番など、製品を特定できる情報

日本損害保険協会も、水害時には被害を受けた建物や家財の全体と、浸水の高さや損傷箇所が確認できる写真を残すよう案内しています。

浸水痕は掃除すると消えてしまいます。

泥を洗い流す前、床や壁をはがす前、家財を外へ運び出す前に撮影しておく方が、被害時の状態を説明しやすくなります。

家財は1点ずつ現物を残さなければならない?

必ずしも、保険会社による確認が終わるまで家財の現物をすべて保管し続ける必要があるとは限りません。

水害後は、濡れた畳、布団、家具などを早く搬出しなければ生活できない場合があります。

安全や生活再開のために片付けが必要な場合は、可能な限り写真を撮ってから進めます。

すでに処分してしまった場合でも、それだけで直ちに保険金を請求できなくなるとは限りません。

東京海上日動では、すでに修理や処分して写真撮影が難しい場合は、修理・処分した物をメモなどの記録に残したうえで担当者へ相談するよう案内しています。

そのため、

「保険会社が来るまで何も捨てない」

ではなく、

「できれば連絡する→処分前に記録する→必要な物は片付ける」

と考える方が現実的です。

写真と一緒に「被害品の一覧」を作っておく

家財の被害が数点なら写真だけでも整理できますが、1階全体が浸水すると、数十点の家財が一度に使えなくなることがあります。

後から思い出そうとしても、何を処分したか分からなくなる可能性があります。

そこで、簡単でよいので被害品の一覧を作っておきます。

例えば、

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • テレビ
  • 電子レンジ
  • ダイニングテーブル
  • イス4脚
  • ソファ
  • ベッド
  • 布団2組

という程度から始められます。

分かるものについては、メーカー名、型番、購入した時期なども一緒に残しておくと、どの家財だったのかを説明しやすくなります。

ただし、型番や購入時期などがすべての保険請求で必須というわけではありません。必要になる資料は契約内容や被害状況によって異なるため、加入先の案内を確認します。

レシートや保証書が残っていたら捨てない

浸水した家財に関係する資料が残っている場合は、すぐに捨てず保管しておきます。

例えば、購入時のレシート、保証書、取扱説明書、通販サイトの購入履歴などです。

家財そのものを処分した後でも、「どの製品を所有していたのか」を確認する手掛かりになります。

ただし、「購入時のレシートがないと家財の保険請求ができない」と一律に判断する必要はありません。

保険会社によって必要書類は異なります。写真、被害品明細書、領収証などが必要になる場合もあるため、手元にある資料は残し、実際に何を提出するかは加入先へ確認します。

修理や撤去にかかった書類も保管する

建物や住宅設備を修理した場合は、修理見積書や領収書も保管します。

火災保険の保険金請求では、被害状況の写真だけでなく、修理見積書などを求められることがあります。

浸水後に業者へ依頼した場合は、

  • 修理見積書
  • 修理・交換の明細
  • 領収書
  • 撤去や処分に関する書類

などをまとめて保管しておくと、後から確認しやすくなります。

保険会社へ提出する前に原本を捨てないようにします。

家財の写真だけでなく「浸水した高さ」も重要

水害では、家財が濡れている写真だけでは、住宅全体としてどの程度浸水したのか分かりにくい場合があります。

壁、柱、家具などに水や泥の跡が残っているうちに、高さが分かる写真を撮っておきます。

できれば、部屋全体の中で浸水痕がどこにあるか分かる写真と、メジャーなどを当てて高さを確認できる写真の両方を残します。

浸水の高さは、水災による損害状況を確認する重要な材料の一つです。

掃除して浸水痕が消えてからでは撮り直せないため、個々の家財より先に撮っておきたい写真です。

保険会社へ連絡する前に捨ててしまった場合はどうする?

すでに片付けを始めていても、残っている記録を集めて保険会社へ相談します。

残せるものとしては、

  • 処分前に撮った写真や動画
  • 処分した家財の品名
  • 数量
  • 置いてあった部屋
  • 損傷の状態
  • メーカー名や型番
  • 購入履歴
  • 修理・処分関係の見積書や領収書

などがあります。

写真がないからといって、自分で「もう請求できない」と決める必要はありません。

一方で、写真がなく現物も処分済みの場合は、被害状況を確認する材料が少なくなります。処分済みであることを含め、分かる範囲を記録して加入先へ相談します。

最初にやるのは「全部捨てない」ではなく「全部撮ってから考える」

浸水後の家の中では、早く泥を出し、濡れた家具や家電を捨てたくなります。

しかし、一度処分してしまった家財や、洗い流してしまった浸水痕は元の状態に戻せません。

安全に室内へ入れる状態になったら、まず建物と部屋の全体、浸水した高さ、被害を受けた家財を撮影します。

その後、被害品の一覧を作り、保険会社へ連絡します。

衛生上・安全上すぐに処分する必要がある家財まで無理に保管する必要はありません。可能な範囲で写真と記録を残してから片付けます。

迷ったときの順番は、

「安全確認→写真→被害品を記録→保険会社へ連絡→必要な片付け・処分」

です。

保険会社ごと、契約ごとに必要資料は異なるため、現物を処分するか迷う高額な家電や家具が残っている場合は、処分前に加入先へ確認するのが確実です。

出典

政府広報オンライン|【防災特集】ACTION03 被災時の行動
政府広報オンライン|住まいが被害を受けたとき 最初にすること
日本損害保険協会|平成30年台風21号による災害に伴う損害保険の補償内容等について
東京海上日動火災保険|【自然災害】台風や集中豪雨等による洪水や土砂崩れにより、建物が被害を受けました。片付けや修理をすすめてよいでしょうか?
損害保険ジャパン|保険金のご請求に必要な書類一覧