カーリース車が水没したらどうなる?全損・保険・中途解約を確認

カーリースで使っている車が、大雨や洪水で水没した。

自分で買った車なら修理か買い替えを考えますが、カーリースではもう一つ、

「契約途中なのにどうなるのか」

という問題があります。

結論からいうと、水没しただけで必ずリース契約が終了するわけではありません。

修理できるなら契約を続けられる場合があります。

一方、修理不能などで全損になれば、リース契約は途中で終了し、契約に基づく中途解約金や規定損害金の精算が必要になるのが一般的です。

ここで重要なのは、

車両保険に入っているから、その精算額がすべて払われるとは限らない

ことです。

カーリース車が水没したら、

修理可能か全損か。

全損時の精算額はいくらか。

加入中の保険はいくらまで補償するか。

の順番で確認します。

まず確認するのは「水没したか」ではなく全損かどうか

車内まで水が入った。

エンジンがかからない。

この状態でも、必ず全損になるとは限りません。

保険上の全損は、一般に車を修理できない場合や、修理費が車両保険金額以上になる場合などです。

水没した車でも修理可能なら、修理してリース契約を続けられる場合があります。

反対に、

エンジンや電装系まで広範囲に損傷している。

修理不能。

修理費が保険上の車両価値を上回る。

といった状態なら全損となり、車そのものをリースし続けられないため契約終了へ進みます。

つまり、

水没→即中途解約

ではありません。

最初の境目は、

修理してリース車として戻せるか

です。

修理できるならリース契約を続けられる場合がある

水没しても修理可能と判断された場合は、契約をそのまま続ける形が考えられます。

ただし、カーリースの月額料金に水没修理代まで含まれているとは限りません。

一般的なリース契約では、事故や水害による修理費は利用者側の負担となり、車両保険を使って修理します。

そこで確認するのが、

今回の洪水が車両保険の対象か。

修理費はいくらか。

自己負担額はいくらか。

指定修理工場があるか。

です。

なお、カーリース会社によって仕組みは違います。

例えばKINTOでは任意保険まで月額に含まれており、洪水による修理なら所定の自己負担額で修理できる仕組みがあります。

一方、任意保険が月額に含まれていないカーリースでは、自分で加入した保険内容によって負担が変わります。

全損になったら契約は途中で終了するのが一般的

修理不能となれば、その車を残りの契約期間も貸し続けることはできません。

そのためカーリースでは、全損を理由に契約途中で終了する扱いが一般的です。

このとき出てくるのが、

中途解約金。

違約金。

規定損害金。

などと呼ばれる精算金です。

名称や計算方法はリース会社によって違います。

「あと3年だから月額3万円×36回だけ払えばよい」

と自分で計算しないでください。

残りのリース料だけでなく、契約満了時に予定していた車の価値である「残価」や、契約上の費用などが精算へ入る場合があります。

全損になったらリース会社へ、

「今回の全損で契約終了する場合、最終的な精算額はいくらですか」

と確認します。

自分からやめる中途解約と「全損による終了」は分けて考える

カーリースには、

「途中で車が不要になったので返したい」

という自己都合の中途解約があります。

今回のような、

「車が全損して契約を続けられない」

という終了とは事情が違います。

しかし、どちらも契約満了前に終わるため、「中途解約金」という言葉だけで説明されることがあります。

ここで重要なのは、

通常の中途解約金表だけを見て、水没全損時の支払額を決めないこと

です。

例えばKINTOでは、通常の中途解約には所定の中途解約金があります。

一方、保険対象となる全損事故では、リースカー車両費用保険特約によって規定損害金が補償され、利用者の追加負担なしで契約が終了する仕組みです。

全損時には、

「通常の中途解約金はいくらですか」

ではなく、

「全損時の規定損害金・精算額はいくらですか」

と聞く方が正確です。

普通の車両保険では精算額が全部出るとは限らない

カーリースで特に注意したいのがここです。

例えば、

全損時のリース精算額300万円。

通常の車両保険金220万円。

だったとします。

車両保険から220万円が支払われても、80万円不足します。

これはおかしなことではありません。

通常の車両保険は、基本的に車そのものの価値を基準として補償する保険です。

一方、リース会社へ支払う全損時の精算額には、

残りのリース料。

残価。

契約上のその他の費用。

などが入る場合があります。

つまり、

保険会社が見る「車の価値」と、リース会社が計算する「契約を途中終了するための金額」は別物

です。

この差額が、カーリース全損時の大きなリスクになります。

「リースカー車両費用保険特約」があるか確認する

この差額へ対応するための保険が、リースカー向けの車両費用特約です。

一般の車両保険とは違い、全損・盗難などでリース契約を途中終了するときの精算額を補償することを目的としています。

例えば、リース専用保険では、

通常の車両保険なら200万円しか出ない。

しかしリース契約を終わらせるには280万円必要。

という場合でも、そのリース精算額を対象にする商品があります。

だから保険証券を見るときは、

「車両保険あり」

だけで終わらせません。

リースカー車両費用保険特約など、全損時のリース精算額を対象にする補償が付いているか

まで確認します。

名称は保険会社によって異なる場合があります。

分からなければ保険会社へ、

「水没全損でリース会社から請求される精算金も全額補償されますか」

と聞くのが最も確実です。

KINTOのように全損時の追加負担が0円になるサービスもある

カーリース・車のサブスクは、すべて同じ条件ではありません。

例えばKINTOは、任意保険が月額料金へ含まれています。

洪水によって車が全損し、保険会社が保険金支払対象と判断した場合には、リースカー車両費用保険特約によって規定損害金が補償されます。

そのため全損で契約終了になっても、利用者の追加負担は0円と案内されています。

一方、オリックスカーリースの個人向け商品では、任意保険は別途加入が必要です。

全損の場合には所定の規定損害金を支払い契約終了となります。

コスモMyカーリースも、任意保険は原則リース契約に含まれておらず、全損時には残りのリース料や残価などの精算が生じる可能性があります。

つまり、

「カーリースだから保険まで全部込み」ではありません。

まず自分のサービスで任意保険が月額に含まれているかを確認します。

リース会社が車の所有者なので、自分で廃車や売却を決めない

購入した自分の車とカーリース車の大きな違いは、所有者です。

一般的なカーリースでは、車検証上の所有者はリース会社、契約者は使用者です。

そのため水没したからといって、

水没車買取業者へ売る。

解体業者へ渡す。

永久抹消する。

という判断を自分だけで進めることはできません。

水没車に買取価値が残っていても、その車はリース会社の所有物です。

レッカー先や修理工場についてもリース会社・保険会社の指示がある場合があります。

水没したら、

まず保険会社。

そしてリース会社。

へ連絡します。

「値段が付くなら自分で売って中途解約金へ充てよう」と先に契約しないようにします。

車両保険金を自分が自由に使えるとは限らない

カーリース車では保険金の受取人も注意が必要です。

保険商品には、リース車の車両保険金を車両所有者であるリース会社へ支払う扱いがあります。

したがって、

「車両保険金200万円が自分の口座に入り、その中から好きな額をリース会社へ払う」

とは限りません。

保険会社とリース会社の間で全損精算が行われる場合があります。

利用者が本当に知りたいのは、

保険金の振込先ではなく、

最終的に自分へいくら追加請求されるのか

です。

保険会社とリース会社の両方へ、

「全損時の精算額はいくらですか」

「保険からいくら充当されますか」

「私の最終自己負担はいくらですか」

と確認します。

洪水と津波では保険の扱いが違うことがある

同じ「水没」でも原因は重要です。

一般的な車両保険では、

台風。

豪雨。

洪水。

高潮。

などによる水没を補償する商品があります。

一方、地震・噴火を原因とする津波による水没は、通常の車両保険では補償されないのが一般的です。

カーリースではここが特に重要です。

車が水没全損すれば、保険が出なくてもリース契約自体は続けられなくなる可能性があります。

例えばKINTOでも、洪水による全損は保険で規定損害金をカバーできますが、地震や津波など保険対象外となる全損では、規定損害金を利用者が負担する扱いがあります。

つまり、

全損時にいくら払うかは、「水没したか」だけではなく「何が原因で水没したか」でも変わります。

修理可能なら「契約を続けるか」もリース会社と確認する

水没したものの全損ではなく、修理可能だったとします。

この場合は修理後に契約継続となるケースがあります。

しかし、勝手に修理工場を決める前にリース会社へ連絡します。

リース会社によっては指定工場や修理手順があります。

また、契約終了時には車両状態の確認があります。

大規模な水没修理を行った車について、契約満了時の返却条件や追加精算にどう影響するのかも確認しておいた方がよいでしょう。

聞く内容は、

「保険で修理すれば契約をそのまま継続できますか」

「修理工場の指定はありますか」

「今回の水没歴が満了時の精算へ影響しますか」

です。

修理できるという理由だけで、利用者が独断で復旧を進めない方が安全です。

全損後も残りの月額料金を毎月払い続けるとは限らない

カーリース車が全損したとき、

「あと4年契約が残っているから、車がなくても4年間月額料金を払い続ける?」

と思うかもしれません。

一般的にはその形ではなく、全損時点で契約を終了し、契約に基づく金額を精算します。

つまり、

車なしで今までどおり月額3万円を4年間払い続ける

のではなく、

全損による契約終了時の精算額を算定し、一括して処理する

商品が多くなっています。

ただし、その計算方法はカーリース会社ごとに違います。

残期間のリース料全部。

残価。

未発生の税金・メンテナンス費用の控除。

事故車の残存価値。

など、何を入れるかは契約次第です。

ネットの一般的な計算式ではなく、自分の契約書で確認してください。

「解約金フリー」のサービスでも全損時は別の費用を見る

最近は、

「中途解約金0円」

「いつでも解約可能」

といったカーリース・サブスクもあります。

ここでも注意したいのは、

自己都合の解約条件と、車を返却できない全損時の条件は別の場合がある

ことです。

全損すれば、リース会社は本来返却されるはずだった車を失います。

そのため通常の「解約金無料」の条件とは別に、

規定損害金。

車両損害に関する精算。

などが設定されていることがあります。

「うちのプランは中途解約無料だから、水没全損でも0円」

とは決めず、

全損時の規定損害金はありますか

と確認します。

新しい車へ自動的に交換されるわけではない

水没全損で契約が終了すると、

「カーリースだから代わりの新車が来る」

という仕組みでもありません。

修理中の代車サービスが使える契約はありますが、全損後の新しい車は別の話です。

全損処理が済んだ後も車が必要なら、

現在の契約終了。

保険・規定損害金の精算。

新しい車の契約。

という流れをリース会社へ確認します。

KINTOのように、保険対象の全損なら規定損害金の自己負担をなくして、次の車を検討しやすいサービスもあります。

一方、精算不足がある一般カーリースでは、まず現在の全損契約を処理する必要があります。

水没後は「リース会社・保険会社」へ同時に確認する

カーリース車が水没したら、販売店だけに相談して終わらせない方がよいでしょう。

保険会社には、

今回の洪水は補償対象か。

修理可能か全損か。

支払われる保険金はいくらか。

リース専用の車両費用特約が付いているか。

を確認します。

リース会社には、

修理なら契約を継続できるか。

全損ならいつ契約終了になるか。

全損時の規定損害金・中途解約精算額はいくらか。

保険でいくら充当される見込みか。

最終的な自己負担はいくらか。

を確認します。

最も重要なのは、

保険金額だけ見て安心しないこと

です。

最後に見るのは「車両保険金」ではなく自己負担差額

例えば、

全損時のリース精算額280万円。

通常の車両保険金230万円。

なら、保険の内容次第では50万円の不足が発生する可能性があります。

一方、

全損時精算額280万円。

リースカー車両費用保険特約で280万円補償。

なら、自己負担を残さず契約終了できる可能性があります。

つまりカーリース車の水没で本当に確認する数字は、

「保険金はいくら?」

だけではありません。

全損時のリース精算額-保険で実際に補償される額=最終自己負担

です。

修理できるなら契約継続。

全損なら契約終了。

そして全損の場合は、リース会社の精算額と保険補償を同じ土俵で比べる。

カーリース車が水没したときは、

「車両保険に入っているから大丈夫」ではなく、「全損時のリース精算額まで保険で埋まるか」

まで確認してから、次の車を考えることが重要です。

出典

オリックスカーリース|マイカーリース よくあるご質問

オリックスカーリース|特定商取引法に基づく表記(全損時の規定損害金)

コスモMyカーリース|カーリース契約中に車が全損したら保険で対応できる?

KINTO|ゲリラ豪雨の車運転対策ガイド・洪水時の全損対応

KINTO|カーリースの任意保険

いすゞリーシングサービス|リース専用自動車保険

三井住友海上|水害・水没は車両保険で補償される?

SBI損保|大雨などで自動車が水没した場合は全損になるのですか?

損保ジャパン|自動車保険の特約・リースカーの保険金受取先